
ふわふわ・しっとり:くるみパン(日本スタイルのソフトパン)
「パン」と聞いてイメージする、硬くて噛みごたえのあるパンのことは一度忘れてください。日本のパンは、驚くほど柔らかく、ふわふわで、まるで雲のような食感で知られています。今回ご紹介するシンプルな手捏ねレシピなら、初心者の方でも自宅のキッチンで、あの心地よい日本のカフェのような体験を再現できます。
素朴なこのくるみパンは、優しく、どこか土の香りを感じる甘みがあり、朝のコーヒーやたっぷりのクリームチーズ、あるいはオレンジマーマレードとの相性が抜群です。
柔らかさの秘密:日本と西洋の違い
根本的な違いは「材料」にあります。伝統的なヨーロッパのパンは、小麦粉・水・塩というシンプルなベースで作られますが、日本のパンはより贅沢なアプローチをとります。
日本スタイルの生地の特徴は、ミルク、バター、ショートニングなどの「油脂」や「乳製品」を加えることです。これらの材料が小麦粉のタンパク質をコーティングし、グルテンの結びつきを適度に弱めることで、食感を劇的に変化させます。その結果、ただのパンではなく、しっとり、もっちり、そして口の中でとろけるような傑作が生まれるのです。
ひと目でわかる比較表
| 特徴 | 西洋スタイル(伝統的) | 日本スタイル(食パン・カフェ風) |
| 主な材料 | 小麦粉、水、塩、酵母 | 小麦粉、牛乳、バター、砂糖、酵母 |
| 食感 | 外側はパリッと、中は気泡があり噛みごたえがある | 柔らかく、「もちもち」 |
| 味のプロファイル | 塩味があり、小麦の香りが強い | 濃厚でミルク感があり、ほんのり甘い |
このパン生地にたどり着くまで
一時期、私はパン作りに完全に取り憑かれていました。元々不器用なこともあり、道中では数え切れないほどの失敗を経験しました。しかし、絶え間ない試行錯誤の末、ついにこの生地の黄金比を完成させたのです。もしあなたが自分を「器用ではない」と思っていても、いくつかのシンプルな「コツ」さえ掴めば、驚くほど簡単に作ることができます。
この生地さえマスターしてしまえば、アレンジは無限大です:
- 惣菜系: ソーセージやベーコンを巻いて、マヨネーズやケチャップをトッピング。
- 具材アレンジ: くるみをチョコチップ、レーズン、黒ごまに変えて。
- スイーツ系: 濃厚なカスタードクリームをたっぷりと。
手捏ねは時間はかかりますが、機械にはない良さがあります:
- 発酵の過程を見守る喜びと、完成した時の計り知れない達成感。
- ホームベーカリーよりも、一度にたくさんの量を焼ける。
- 材料、配合、具材を完全にコントロールできる。

美味しい生地を作るためのプロのコツ
- 温度管理がすべて:
- 温度が命です。牛乳や卵が冷たすぎると、酵母(イースト)の働きを妨げ、生地が硬くなってしまいます。生地の温度を約37°C前後に保つことを意識しましょう。
- 「手にくっつく」問題の解決策:
- 私が直面した最大のハードルのひとつは、生地が手にベタベタくっつくことでした。これを解決したのは、手にフィットする「ゴム手袋(またはニトリル手袋)」をはめること。手のひらのシワや爪の間に生地が入り込むストレスから解放される、まさにゲームチェンジャーです。
- 油脂を入れるタイミング:
- 油脂はグルテンの形成を妨げる性質があります。最初から入れてしまうと、小麦粉の粒子が油でコーティングされ、強いグルテン構造ができにくくなります。そのため、生地がまとまり、薄く伸ばしても破れないくらい滑らかになってからバターや卵を加えるのがベストです。
🍞 栄養成分表示(1斤あたり)
- カロリー: 1,414 kcal
- タンパク質: 37.4g
- 脂質: 67.6g
- 炭水化物: 174.3g
- 食塩相当量: 1.2g
🛒 材料
1斤分(21cmのパウンド型を使用)
粉類(☆):
- 強力粉: 180g
- 薄力粉: 20g
- 砂糖: 15g
- 塩: 3g
- ドライイースト: 2g(サフ インスタント ドライイーストがおすすめです!)
水分・油脂:
- 牛乳: 150g(約40°Cに温める)
- サラダ油: 5g
- 無塩バター: 15g(室温に戻しておく)
具材:
- くるみ: 60g(粗く刻んでおく)
🥐 作り方
📝 下準備
- 型の準備: 21cmのパウンド型にクッキングシートを敷きます。
- 秘密の道具: 手にぴたっとフィットするゴム手袋を着用します。指に生地がつかないので、捏ねる作業が劇的に楽になります。ぜひ試してみてください!
👩🍳 工程
1. 混ぜる
- ボウルに強力粉、薄力粉、砂糖、塩、ドライイーストを入れます。
- 重要: 塩とイーストが直接触れると発酵を妨げるため、最初は離して配置します。
- 温めた牛乳の半分をイーストめがけて注ぎます。数分置いてから、箸などで混ぜます。
- 残りの牛乳を加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜます。
2. 捏ね・油脂の投入
- 生地がまとまってきたら油を加え、捏ね始めます。
- 生地に弾力が出てきたら、無塩バターを練り込みます。生地が柔らかく滑らかになり、「ウィンドウペーン・テスト」(生地を薄く伸ばしても破れず、向こう側が透けて見える状態)ができるまでしっかり捏ねます。
3. 一次発酵と成形
- 生地を丸めて、一次発酵させます。35°Cで40分(またはサイズが2倍になるまで)。
- 優しく生地をプレスしてガスを抜き(ガス抜き)、再度丸め直して10分間休ませます。
- 生地を21cm四方に伸ばし、くるみを全体に散らします。
- 手前からきつく巻き、閉じ目をしっかりつまんで閉じます。
4. 二次発酵と焼成
- シートを敷いた型に生地を入れます。
- 二次発酵をさせます。35°Cで40分。
- オーブンを170°Cに予熱します。中段で25分間焼きます。
5. 仕上げ
- 衝撃(ショック): 焼き上がったらすぐに、型を20cmほどの高さからトンと落とします。この衝撃で中の蒸気が抜け、冷めた時の「腰折れ(しぼみ)」を防ぎます。
- 型から取り出し、ケーキクーラーの上で完全に冷まします。
📖関連リンク:この記事の英語版はこちらをご覧ください![Soft & Fluffy Japanese Walnut Bread Recipe (Kurumi Pan)]


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